キミの愛情120%



「それがずっと続いたらさ、それがつまり幸せになるわけじゃん?」

「……そう、かもしれないですね?」

「俺はそうやってみんなと仲良くしたいんだよね。俺に構ってくれる人には、みんな幸せな気持ちになってほしい。俺ができることならなんでもしてあげたいって思う」



……ああ、リナ、この顔知ってる。


自分の中に、確固たる信念があるひとの顔だ。


マルとチョコちゃんも、よくこんな顔をしていたからわかる。

リナはそんなふたりに憧れて、ここにいるんだから。


先輩のそれは、なんていうんだろう。博愛主義?

あまりに献身的で、理想的で、見返りがない。

でも、この人は本気で言っているんだろうと思った。

それくらいなら、今のリナにだってわかるよ。


だけどその先輩のスタンスは、特定の彼女を作るには向かないよね。彼女が不安になってしまうから。



みんなと仲良くしたいから、特別なひとりを作らない。



「……リナとは、正反対ですね」


リナの世界は、リナの大好きなひとたちを中心に回っているから。



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