キミの愛情120%
ぎゅっと目をつぶって耐えていると、やがて「いいよ。お待たせ」と先輩の声がした。
……なんか耳に、違和感がする。
「はい、こちらの鏡をどうぞ」
用意がよすぎる先輩は、トートバックから割とデカめの鏡を取り出して見せた。
そこに映る自分の耳に、キラリと光るものが見えたとき、思わず「えっ」と甲高い声が出た。
「こ、こ、こ、これっ……!」
「クリスマスプレゼントでした~。どう? てかやっぱり超似合うね。すげーかわいい」
リナの耳には、大ぶりの可愛らしい紫の花をモチーフにしたイヤリングがついていた。
ねえ待って、待って、待って。なにこれ?
こんな、こんなの……。
「……あ、ごめん趣味じゃなかった? そんな高いもんじゃないし、あれだったら家で捨ててもらっても……」
「……ちがう。うれ、し……」
「…………」
喉がつんと痛い。こぼれそうになる涙を必死にこらえた。マスカラ落ちるから。頑張って美少女天使リナ。