キミの愛情120%
「フィルム27枚分全部撮ったら、カメラはリナに渡してください。先輩が卒業するまでの間なら、特別にリナが現像に行ってあげます」
先輩が卒業するまでの、あと1年ちょっと。
他人のためにばかり写真を撮ってきた先輩が、自分のために一体どんな写真を撮ってアルバムを作るのか興味があった。
……その中で一枚でもいいから、先輩が自分で『好き』って言えるものが見つかったらいいなって。
「…………」
先輩はあまりに驚いているのか、カメラとアルバムを見つめたまま固まっている。
……さすがにちょっとアレだったかな。
プレゼントなのにああしろこうしろって言っちゃったし……。コメントに困ってるのかも。
「……あの、せんぱ……」
「ごめん。なんか感動して言葉失ってた」
口元に手を当てて、先輩が本当に嬉しそうに笑う。
その目の端がかすかに光っているような気がして、先輩らしくない不器用な笑顔から目が離せなくなった。