キミの愛情120%
「プレゼントは? 何かもらった?」
「うん……イヤリングもらった」
「へえ! 松原先輩だし、きっとセンスいいんだろうね~」
「ちなみにこれ……」
「え、ケースに入れて持ち歩いてる……!?」
「よほどうれしかったのね……」
カバンから小さなアクセサリーケースを取り出してパカッと見せると、マルが「可愛い~。里菜に似合いそうだね!」と言ってくれた。り、リナだし? なんでも似合うの当たり前だし……。
「楽しいクリスマスだったのね」
微笑んだチョコちゃんの言葉に、胸の奥がきゅっとなる。そんな顔されたら、素直に頷くことしかできないよ。
「なんか、夢みたいだったの」
目に映るぜんぶがきらきらしていて、隣にいる先輩は王子様みたいに格好良くて。だから。
「期待したって無駄ってわかってるのに、浮かれちゃうのが嫌なの」
リナはあの夜、お姫様だった。
でもこの物語に続きはない。リナはシンデレラじゃないから。先輩はシンデレラのリナを求めてないから。
リナも、これ以上を期待したらダメなんだ。
「そっか……。やっぱり松原先輩とそういう関係になるのは難しいんだね」
「……なら、大切な想い出として、心にしまっておくのもいいかもしれないわね」
「……うん」
大丈夫。この気持ちをひっこめるのは得意だから。
前と同じに、戻るだけだ。
「見つけた~~~!!!」
校門を通過した瞬間、そんな叫びとともに両側から腕をがしっとつかまれた。