キミの愛情120%
┗マルと、リナと
あのあと、松原先輩からも事情を説明してくれたおかげか、リナに対する2年生女子の目線は優しくなった。
前に委員会で意地悪してきたミカちゃん先輩も、ばったり会うと罰が悪そうに目をそらしてくるから面白かった。
それから三日後の放課後。
ホームルームが終わった直後、三人で一緒に帰ろうと声をかけたら、マルが顔を青ざめさせて「ない……」とつぶやいた。
「ない? 何がー?」
「汐見先輩とおそろいのマスコット……」
「えっ!」
見ると、マルのカバンにいつもぶら下がっていた淡いイエローのテディベアがいなくなっていた。
「どうしたの」
遅れてチョコちゃんが何事かと声をかけてくる。
「マルのテディベアが無くなってるの。汐見先輩とおそろいのやつ」
「それで青ざめてるのね……。どこかに落とした?」
「たぶん……。でも、どこで落としたかわからなくて」
「確か、今年の初日はあったわよね」
「うんうん。リナも覚えてるよお。駅のホームでみんなで見たもんね」
各々のクリスマスの話をしたときに見せてくれたんだよね。