キミの愛情120%


「ねえ、あんた今家? ちょっとお願いがあるんだけど。……はあ? わかったよ買って帰るから! えっとね、私の部屋にテディベアの……」


駅前でマルが弟くんに電話をかけるのを3人で見守る。

マルの自宅にあるかもしれないということで先に弟くんに探してもらおうと電話したけど、どうやら交換で何かを買って来いと言われているっぽい。ちゃっかりしている。

リナは一人っ子だから、マルが弟くんとケンカしたとかの話を聞くとちょっとうらやましかったりするんだけどね。



「……ないっぽい」


電話を切ったマルが肩を落として戻ってきた。

「そっかあ……」

「あとは、マルの家から駅までの間ね」

「うう……松原先輩、探すの手伝ってくださってありがとうございました。リナとチョコちゃんもありがとう。駅から家までの間で見つからなかったら、汐見先輩に正直に話します」


沈んだ表情で頭を下げてくるマルに、やるせない気持ちになった。


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