キミの愛情120%
『えーっとねえ……今どこにいる?』
「えっ!? えーと……家です」
『すごい嘘つくじゃん。駅の改札の音聞こえるよ』
「…………」
『なにしてんのこんな夜に。出歩いちゃダメでしょ』
バレたし怒られた。……別に、まだ19時だし。普通に周りに高校生いるし……。
「……ちょっと、用事思い出したんですよ」
『じゃあ俺も用事付き合うからそこにいて。いい? 20分で着くから動いちゃダメだよ』
「ええ!? ちょっ……」
ブツっと電話を切られた。おい!!
もう一度かけてやろうとしたら、駅中のカフェのギフトコードがメッセージで送られてきた。『これで甘いものでも飲んで待ってて』。
な、なんて用意周到な男……。女の子を待たせ慣れすぎだろ……。女タラシこわ……。
改めて先輩のモテ男っぷりにビビりつつ、仕方なく言われた通りにカフェでドリンクを注文して、待つこと約20分。
「ごめん、お待たせ」
息を切らしたイケメンが周囲の女性たちの視線をかっさらいながら、店内に入ってきた。
無駄にキラキラ振りまくな。死人が出るから。