キミの愛情120%
「い、いえ……ドリンクご馳走様です」
「ううん。じゃあ行こっか。『用事』とやらに」
先輩はもうほぼわかってそうな顔でニヤッと笑う。う。なんで……。
「なんで電話かけてきたんですか」
カフェを出て夜の街を歩きながら聞くと、先輩は「なんか様子おかしかったから」と短く答えた。
「え?」
「電車で考え込んでたでしょ。まさかなーと思って念のため電話したんだよ。家にいるのを確認できたらそれでよかったんだけど、不安的中だったねー」
あははと笑ってリナの少し前を歩く広い背中に、胸がぎゅっと痛くなった。
……なにそれ。なんでそんな、リナのことわかっちゃうの。ずるいよ。
「きみは、あの二人のことになると暴走しがちだから」
先輩が優しい目をしてリナを見つめる。
夜の色とりどりの光の中で、先輩は一際綺麗に見えた。