キミの愛情120%


ああ、やってしまった。

こんな赤っ恥をかいてしまったからには、それに見合った素敵彼氏をつかまえなければ。

とりあえず今週の土日は、この町いちばんのナンパスポットでナンパ待ちしてみよう。

声かけてきた10人に1人くらいは素敵な人がいるんじゃない?


「それでは各自、割り振られた持ち場で清掃を行ってください」


もんもんと今週末の計画を立てていると、委員長の声と共に周囲がガタガタと席を立ち始めた。


あ、そっか。今日の活動は校内清掃だっけ。

普段の清掃時間では手が回ってない場所の掃除を行う、美化委員として至ってシンプルな活動だ。


事前に渡されていたプリントに目を通して自分の担当場所を確認する。

3階空き教室の清掃かあ。一人でやるのはちょっと大変だけど、まあ、頑張れば30分くらいで終わりそうだよね。

さっさとやって早く帰ろーっと。


そう思って席を立ち教室を出ようとしたら、「岸本さん」と後ろから声をかけられた。


「はい?」


振り返るとそこにいたのは、ニコニコ笑う委員長。



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