キミの愛情120%
「よーし。じゃあ帰ろ」
先輩が楽しそうに笑って前を歩く。
帰り道は、明日どうやってマルの元にこれを届けるかを作戦会議した。
先輩はわざわざリナの最寄り駅で降りて、家まで送ってくれた。
*
「えっ、ホントに!?」
翌日の朝。
松原先輩がテディベアのマスコットを持って、リナ達の教室に来た。
マルが目を瞬かせて先輩とマスコットを見比べる。
「うん。今朝ぐーぜん、中央通りの歩道橋の近くで見つけたんだよねー」
先輩の爽やか笑顔は一点の曇りもない。ぜんぶ知っているリナですら信じてしまいそうだ。
リナはあんまり嘘が得意な方じゃないから頼んだんだけど、正解だった……。
「歩道橋って……あ! そういえば……!」
「なんか思い当たることあった?」
「はい……。ちょっと前に、おばあちゃんをおんぶしてあげた覚えが……」
「あはは。マルちゃんらしいね~」
先輩からマスコットを受け取ったマルは、抱きしめながら何度も頭を下げた。