キミの愛情120%


「よーし。じゃあ帰ろ」


先輩が楽しそうに笑って前を歩く。

帰り道は、明日どうやってマルの元にこれを届けるかを作戦会議した。

先輩はわざわざリナの最寄り駅で降りて、家まで送ってくれた。







「えっ、ホントに!?」


翌日の朝。

松原先輩がテディベアのマスコットを持って、リナ達の教室に来た。

マルが目を瞬かせて先輩とマスコットを見比べる。


「うん。今朝ぐーぜん、中央通りの歩道橋の近くで見つけたんだよねー」


先輩の爽やか笑顔は一点の曇りもない。ぜんぶ知っているリナですら信じてしまいそうだ。

リナはあんまり嘘が得意な方じゃないから頼んだんだけど、正解だった……。


「歩道橋って……あ! そういえば……!」

「なんか思い当たることあった?」

「はい……。ちょっと前に、おばあちゃんをおんぶしてあげた覚えが……」

「あはは。マルちゃんらしいね~」


先輩からマスコットを受け取ったマルは、抱きしめながら何度も頭を下げた。
< 155 / 274 >

この作品をシェア

pagetop