キミの愛情120%
先輩の好みがわからなかったけど、クリスマスとかの様子を見る限り好き嫌いなさそうだったから適当に買いまくった。よければ友だちと食べて下さいという気持ちで。
「えー、このくらい全然いいのに。律儀だなあ」
「いえ……カフェもおごってもらったし、長い時間付き合ってもらいましたし……こんなんじゃ足りませんけど、リナの気が済まないのでもらってください」
「……んじゃ、遠慮なくもらうよ。ありがとね」
先輩が機嫌よさそうに袋の中を見ながら、「でも、ホントによかったの?」と言った。
「え?」
「あの場所を思い出したのも、見つけたのも里菜ちゃんなのに、俺の手柄になってさ」
「……いいんです。リナが夜にわざわざ探しに行ったって言ったら、マル、絶対気遣うし、申し訳なく思っちゃうし……」
「それはそうだろうけど……」
「リナは、マルの笑顔が戻ってきただけで十分嬉しいので」
「……でもそれじゃ」
――ガタン。
教室のドアの近くで音がした。
ばっと振り返ると、そこにいたのは。
「――マル」
困惑した表情の、マルだった。