キミの愛情120%
┗ “いちばんにしてくれないくせに ”
「……ごめん。先生が里菜のこと探してたから呼びに来たんだけど……。えっと、盗み聞くつもりは、なくて」
「……ま、マル……」
「ごめん! けどスルー出来ない……。今の、ほんと? 里菜が夜中に探してくれたの?」
「……う、うん」
シーン。
その場に沈黙が落ちる。頭が冷えて真っ白だ。言葉が出てこない。
「……なんで、隠してたの?」
凛としたマルの声が、リナの頭の奥に冷たく響いた。
マルはきっと、責める意図はなくて言っている。わかっているのに、頭がどんどん真っ白になっていく。
なんで? なんでリナは……。
「……あのねマルちゃん。里菜ちゃんは」
「すみません松原先輩。今は里菜に聞いてるので」
「…………」
こういうときのマルは容赦がない。
助け舟を出そうとしてくれた先輩をぴしゃりと止めて、マルは里菜をじっと見つめ続けた。
マルはいつだって、純粋で真っ当だ。その人自身の言葉をちゃんと聞こうとする。
リナはそういうマルが憧れで、……たまにちょっと怖かった。