キミの愛情120%
「……私に申し訳なく思われるのが嫌だった?」
「…………」
ふるふる。首を横に振る。
「夜中に探しに行ったの、私が怒ると思った?」
「…………」
もう一度首を横に振る。
中学の頃もこんなことがあった。
リナは今よりもっと口下手で、言いたいことが言えなくて。
『どーしたの、里菜。ムスッとしちゃって』
『黙っててもわかんないよ。言いたいことがあるなら言いなよ』
そのたびにマルが、里菜の言葉を引き出そうとこうやって問いかけてくれた。
今も、伝えたい言葉は山ほどあったけど。
でも、どれを口に出して大丈夫か、なんて言ったらマルへのこの想いが正しく伝わるのか、わからなかった。
……今は、あの頃と少し違う。マルに知られたくない気持ちがあるからだ。
黙りこくるリナに、マルは悲しそうに目を伏せて、静かに「里菜」と呼んだ。