キミの愛情120%



「俺のこと本気で好きじゃないくせに、言うな」



――パン。

先輩の頬を、同じくらい熱い手のひらが打った。



「……いみ、わかんない。死ねクズ!」



目の前の男を睨みつける瞳の端から、涙が溢れた。声が震えた。手が痛かった。それより胸の方が痛くて辛かった。

それ以上ここにいたくなくて、走って教室を出た。



先輩は、追ってこなかった。







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