キミの愛情120%
┗汐見先輩
昨日は色々ありすぎた。
まったく眠れないまま朝を迎え、当然マルにあわせる顔はなく、いつもより3本ほど早い電車に乗って学校へ向かっている。
「…………」
電車の壁にもたれかかって、浅い意識の中で今の状況について考えた。
普段言い争いになることが多いチョコちゃんならともかく、あの温厚なマルとケンカしてしまった……。控えめに言ってしにたい。
マルは『言いたいこと言えるようになったら教えて』って言ってたけど、ちょっとまだ全然無理。顔をあわせる自信すらない。マルの顔見たらたぶん泣く。
そしてそのあとのやつ、あれは何?
一晩考えても意味がわからない。いちばんわからない……。
キスされた……よね……?
え、ちがう? 唇同士がぶつかっただけ? うそでしょ?
あと『俺のこと本気で好きじゃないくせに言うな』って何? オメー何様だよ。誰なんだよ。どういうつもりなんだよ。
あ、もうぜんぶ無理……。自分の今の状況ぜんぶが無理。何も考えたくない。
「おはよー」
「はよーっす」
教室に一番乗りで入って机に突っ伏していたら、だんだんクラスメイトたちが登校してきた。