キミの愛情120%
なんでリナより傷ついた顔するんだよ。傷つけられたのはリナなのに。
リナの恋心を誰よりも否定するくせに、リナが興味を無くしたらショックなの?
……やっぱりクズの才能あるよ、先輩。
*
その日の夜もろくに寝付けず、翌日もマルとチョコちゃんを避けまくっていたら、昼休みに予想外の客人がやってきた。
「岸本さん、先輩に呼ばれてるよ」
あのクズ野郎か、二年の女子生徒か。
身構えながら教室のドアへ向かったら、そこにいたのは校内イチの美形だった。
「汐見先輩……」
「ごめん、いきなり呼び出して」
スーパーハイスペックイケメン、またの名をマルの恋の奴隷こと汐見先輩だった。
「いえ……ええと、マルは今、教室にいないんですけど」
どこ行ってるかは知らないけど、教室にはチョコちゃんもいなかった。
「ああ、大丈夫。用があるのは岸本さんだから」
「えっ」
「よかったら今日、一緒にお昼食べない?」
「え……? 汐見先輩と? リナが……?」
「そう。ちょっと話がしたいんだ。百合には言ってあるから変な心配はしなくていいよ」
いやそれ以前に、どういうこと。汐見先輩がリナになんの話?
『百合が君に避けられてるって落ち込んでる、どうしてくれるんだ』とか詰められるの? やだ逃げたいんですけど。