キミの愛情120%


なんでリナより傷ついた顔するんだよ。傷つけられたのはリナなのに。

リナの恋心を誰よりも否定するくせに、リナが興味を無くしたらショックなの?

……やっぱりクズの才能あるよ、先輩。





その日の夜もろくに寝付けず、翌日もマルとチョコちゃんを避けまくっていたら、昼休みに予想外の客人がやってきた。


「岸本さん、先輩に呼ばれてるよ」


あのクズ野郎か、二年の女子生徒か。

身構えながら教室のドアへ向かったら、そこにいたのは校内イチの美形だった。


「汐見先輩……」

「ごめん、いきなり呼び出して」


スーパーハイスペックイケメン、またの名をマルの恋の奴隷こと汐見先輩だった。


「いえ……ええと、マルは今、教室にいないんですけど」


どこ行ってるかは知らないけど、教室にはチョコちゃんもいなかった。


「ああ、大丈夫。用があるのは岸本さんだから」

「えっ」

「よかったら今日、一緒にお昼食べない?」

「え……? 汐見先輩と? リナが……?」

「そう。ちょっと話がしたいんだ。百合には言ってあるから変な心配はしなくていいよ」


いやそれ以前に、どういうこと。汐見先輩がリナになんの話?

『百合が君に避けられてるって落ち込んでる、どうしてくれるんだ』とか詰められるの? やだ逃げたいんですけど。


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