キミの愛情120%
体操着の色からして、同じ一年生だ。なんだか見覚えがある気がする。もしかして美化委員の人?
「岸本さんの担当って屋内じゃなかった? ここの掃除一人でやってるの?」
「………あ、えーと……ちょっと色々あって……」
「一人でやるのしんどいでしょ? 俺、今自分のとこ終わったから一緒にやるよ。待ってて、このゴミ箱置いてくる!」
ええっ?
そういうと彼はさっさと校舎の方へ走って行ってしまった。
一緒にやってくれるの?なんで?ていうか誰?
同じ美化委員みたいだけど、失礼ながら名前も知らない。どうでもいい人のことは基本眼中にないのがリナなので。
それから彼は瞬く間に戻ってきて、リナの隣で雑草抜きを始めた。
なんていい人なんだろう。
「ありがとう……えっと」
「2組の長谷部だよ。全然関わりないし、知らなくても仕方ないから大丈夫」
「……ご、ごめんね」
「ううん。……まあ、俺は知ってたよ。同じ委員会に、可愛い子いるなーって思ってたから」
えっ。
見ると、長谷部くんは赤い顔をして照れ臭そうに目を逸らしていた。
つられてリナまで赤くなってしまう。