キミの愛情120%

体操着の色からして、同じ一年生だ。なんだか見覚えがある気がする。もしかして美化委員の人?


「岸本さんの担当って屋内じゃなかった? ここの掃除一人でやってるの?」

「………あ、えーと……ちょっと色々あって……」

「一人でやるのしんどいでしょ? 俺、今自分のとこ終わったから一緒にやるよ。待ってて、このゴミ箱置いてくる!」


ええっ?


そういうと彼はさっさと校舎の方へ走って行ってしまった。

一緒にやってくれるの?なんで?ていうか誰?

同じ美化委員みたいだけど、失礼ながら名前も知らない。どうでもいい人のことは基本眼中にないのがリナなので。



それから彼は瞬く間に戻ってきて、リナの隣で雑草抜きを始めた。

なんていい人なんだろう。


「ありがとう……えっと」

「2組の長谷部だよ。全然関わりないし、知らなくても仕方ないから大丈夫」

「……ご、ごめんね」

「ううん。……まあ、俺は知ってたよ。同じ委員会に、可愛い子いるなーって思ってたから」


えっ。

見ると、長谷部くんは赤い顔をして照れ臭そうに目を逸らしていた。

つられてリナまで赤くなってしまう。

< 18 / 274 >

この作品をシェア

pagetop