キミの愛情120%


「……わかったよ。言えばいいんでしょお、お礼」


ぎゅっとこぶしを握り締めると、スーパーウルトラ天使リナちゃんを武装して先輩の方へ向き直った。

リナと目が合った松原先輩が、ちょっとだけ面食らったみたいに目を見開く。


「せんぱいっ」

「……里菜ちゃん」

「あの、こないだリナが倒れたとき、先輩が運んでくれたって聞きましたあ。ありがとうございましたっ」

「いや、全然……あれから体調は大丈夫?」

「はい、おかげ様で~。元気ですよお」


すると、先輩が何か言いたげな顔で一歩近づいてきた。


「もうリナは平気ですから。なんにも気にしないでくださいねっ」

「あのさ里菜ちゃん。聞いて」


お礼を言ってさっさとマルとチョコちゃんのところへ戻ろうとしたら、手をつかまれて動けなくなった。

目が合った先輩の瞳はいつになく真剣で。リナの手を握り締める彼の手は熱くて、ちょっとだけ震えていた。


「……あの日のこと、本当にごめん。あれは……」

「聞きたくないっ!」


耐えられなくて手を振り払った。松原先輩がハッとした顔でリナを見つめる。


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