キミの愛情120%
「リナ、なんにも気にしてないって言ったじゃん! リナももとに戻るから、先輩も戻ってよ!」
「あ、里菜!」
「待って!」
マルとチョコちゃんの声も無視して、その場を全力疾走で逃げた。
……なんでリナは、いつまでも松原先輩に振り回されてるんだろう。
街中を走って走って、適当なショップビルの中に入った。
途中で息が切れて立ち止まる。肩で息をする里菜を、周囲の人たちがちらちら見ながら通り過ぎていく。
たまたまマルの彼氏の友達で、近くにいて、好みのタイプだったから彼氏になってほしいなって思って。
アタックして、いざ告白するぞ! って思ったら告白すらさせてもらえずにフラれて。
そこですっぱり諦めさせてくれたらいいのに、無駄に優しくして、かと思ったらやっぱりリナの気持ちはガン無視で。
あげく『俺のこと本気で好きじゃないくせに』でキスされて。
リナ、もう充分がんばったよね? そろそろあきらめてもよくない?
そこそこ格好良くて、スマートにリードしてくれて、リナのこと甘やかしてくれる人なら他にもいるはず。
松原先輩じゃなきゃいけない理由なんて、ない、よね?