キミの愛情120%
「何してるんですか」
見たことない冷たい表情をした松原先輩がそこにいた。
「せ、先輩……」
「先輩? ……とりあえず痛いから離してくれる?」
「…………」
先輩が難しい顔をして手を離す。
亮平さんは自分より少し背の高い先輩を上から下まで品定めするみたいに眺めて、「先輩ねえ」と言った。
「かっこいいね。里菜ちゃんの彼氏?」
「い、いや」
「彼氏です」
「えっ」
何言ってんだこいつ。
目をむいて先輩を見るリナを亮平さんがちらりと見てから、「ふーん」と全く信じてない声色で相槌を打った。
先輩はリナの視線に気づいているはずなのに無視を決め込んで、亮平さんをにらんでいる。な、なに考えてんだこいつ……。
「まあいいや」
亮平さんはリナに視線を戻すと、流れるような動きでリナの耳元に唇を寄せた。