キミの愛情120%


「……知らないよ」


知らない。知ってるけど。知らない。知りたくない。

期待したくない。期待したあげく、裏切られてがっかりしたくない。


リナはもう、振り回されたくないんだってば。






「……『亮平さんに会う』?」


翌日の昼休み。

マルが焼きそばパンをほおばりながら、ぽかんとした顔でリナの言葉を復唱した。

「え、待って。誰だっけそれ」

「あれでしょ。里菜が中学のとき一ヶ月だけ付き合って即別れた大学生」

「よく覚えてんねチョコちゃん……」

「そー。昨日偶然会ってさ、久しぶりに会ってみよーかなって」


あのあと、宣言通り亮平さんから連絡があった。メッセージは『会いたくなったらいつでも呼んでね』だけ。

なんて単純で、軽くて、都合の良い一言だろう。

今ならそう思えるけど、あの頃のリナにはこれが救いだったんだ。



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