キミの愛情120%
「……知らないよ」
知らない。知ってるけど。知らない。知りたくない。
期待したくない。期待したあげく、裏切られてがっかりしたくない。
リナはもう、振り回されたくないんだってば。
*
「……『亮平さんに会う』?」
翌日の昼休み。
マルが焼きそばパンをほおばりながら、ぽかんとした顔でリナの言葉を復唱した。
「え、待って。誰だっけそれ」
「あれでしょ。里菜が中学のとき一ヶ月だけ付き合って即別れた大学生」
「よく覚えてんねチョコちゃん……」
「そー。昨日偶然会ってさ、久しぶりに会ってみよーかなって」
あのあと、宣言通り亮平さんから連絡があった。メッセージは『会いたくなったらいつでも呼んでね』だけ。
なんて単純で、軽くて、都合の良い一言だろう。
今ならそう思えるけど、あの頃のリナにはこれが救いだったんだ。