キミの愛情120%
┗淡い夢のようなひと
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「はは、ほんとに来た。里菜ちゃん」
放課後。以前よく待ち合わせていた中央通りの公園で、ベンチに腰かけていた亮平さんと会った。
若者のたまり場になっているこの公園で、亮平さんは周囲の女性の目線を一身に集めている。誰が見てもわかる、モテそうな男の人。
「……それ、どーいう意味ですか」
「ん? もしかしたら来ないかもなーと思ってたから」
「会いたいって言ったのリナですよ」
「うん。けどなんか、そんな気がしたんだよ。なんでだろうね?」
細められた瞳は、何を考えているのかよくわからない。だけど不思議と、こっちの考えはぜんぶ見透かされているような気がした。
「……亮平さんこそ。急だったのによく会ってくれましたね。大学生って暇なんですか?」
「はは。言うね~。まあ暇だけど。今日はバイトない日だったからちょうどよかったんだよ」
亮平さんはベンチから立ち上がると、「寒いしどこか入ろうか」と言って歩き始めた。
近くのカフェに入って、キャラメルラテを注文する。亮平さんは「久しぶりに会ってくれたお礼」と言って嫌味ない感じでお金を出してくれた。
亮平さんはそのまま店内の二人がけソファに座る。肩が当たるほど近い距離感。ほのかにタバコのにおいがして、なつかしい気持ちになった。