キミの愛情120%
……みんな、大人っぽくて表面的には優しかったけど。
どこかリナを見下している感じがして、あまり好きにはなれなかった。
「よければ今度、会ってみる?」
「……遠慮します。リナ、あの人たちはちょっと苦手って言ってたじゃないですか」
「ああ、そうだったっけ? ごめんごめん」
「…………」
黙ったリナの顔を亮平さんがくすりと笑って覗き込んでくる。驚いて顔を離すと、亮平さんはくすくす笑って「里菜ちゃん」と呼んだ。
「今日はパーっと遊ぼうか。ね?」
2年前のリナの心のよりどころだった、変わらない笑顔で亮平さんは言った。
「……そうですね」
彼はそれからリナがラテを飲み終わるまで、リナの高校の話題を振ったり自分の大学のこととか、他愛ない話をしてくれた。
カフェを出るころには周囲が暗くなっていたけど、亮平さんはそのまま知り合いがやっているらしいダーツバーにリナを連れて行った。
リナの家は門限なんてないから気にせずついていく。そして亮平さんもそのことを知っているから、特に何も聞いてこない。こういうことだけは覚えているのがさすがだと思った。