キミの愛情120%
入ったダーツバーはすでに数人のお客さんがいて、各々お酒を飲んだりダーツをしたりして過ごしていた。暗い店内に灯る間接照明が落ち着いた雰囲気の、大人の空間。
高校生のリナの日常にはない、淡い夢みたいな非日常。
お店の人はみんな気さくに話しかけてくれるし、亮平さんに教えてもらいながら初めてダーツをしてみたりして、楽しかった。
一通り遊んでカウンターでジュースを飲んでいると、亮平さんがスマホを見て席を立った。
「……ごめん。ちょっと電話」
低い声でそう言って、面倒くさそうに店の外に出ていく。……あれは絶対。
「女だねー」
バーテンダーさんが苦笑いしながらリナの考えと同じことを言った。そしてなぜか「あ、ごめん」と謝ってきた。