キミの愛情120%
「……亮平さんは、リナのこと好き?」
唇が重なる寸前。
こぼれた問いに、亮平さんは目を細めて「もちろん」と言った。
「好きだよ」
――トン。
ほぼ衝動的に、亮平さんの胸を押し返していた。
ぽたぽたと、いつの間にあふれていた涙が頬から伝い落ちていく。
亮平さんが驚いた顔で見つめてくるけど、どうしても止まらなくて席を立った。
「ごめんなさいっ」
「え……里菜ちゃん?」
走ってそのまま店を出た。外はすっかり真っ暗で、仕事帰りのサラリーマンや部活帰りの学生の間を縫ってひたすら走った。
……ちがう、ちがう。
あんなにほしかった言葉なのに、ちがうんだ。あれはリナがほしかったものじゃない。
わかってしまった。その言葉をくれるのは誰でもいいわけじゃないって。
人通りの少ない道に入り、途中で息が切れて立ち止まる。亮平さんは追ってきていない。
怒ってるかな。当然だよね。せっかく会ってくれたのに。申し訳ない……。