キミの愛情120%

┗ちゃんとわかったよ





「……せん、ぱい」


走ってきたのか、白い息を吐く先輩の呼吸は荒い。リナと目が合った途端、安心したようにへなへなとその場にへたり込んだ。


「よかった……見つかった……」

「なんで……」

「チョコちゃんに連絡もらってから、ずっと探してたんだよ……。とりあえずチョコちゃんに連絡するから待って」

「…………」

「……あ、もしもしチョコちゃん? 里菜ちゃん見つかったよ。そう、大通りのところ。一人だった。……うん、大丈夫そう。うん、じゃあ送って帰るね。ありがと」


先輩が電話してくれている間、自分でもグループトークにメッセージを入れた。マルがすぐに『無事でよかった~! 気を付けて帰ってね』と反応をくれる。明日二人にちゃんと謝ろ……。

先輩は電話を切ると、リナの手を引いて一緒に立ち上がらせてくれた。そして何かに気づき、焦った顔でリナの両腕をがしっとつかむ。


「目赤いけど、もしかして泣いてた? あいつになんかされたの?」

「だ、大丈夫! 何もない! 大丈夫!!」


全力で否定すると、「よかった……」と先輩は再度深い息を吐いた。心底心配した、というその様子に、胸の奥がぎゅっとなる。


< 207 / 274 >

この作品をシェア

pagetop