キミの愛情120%
「びっくりしたよ、里菜ちゃんと連絡つかないって聞いて、しかも一緒にいるのが昨日の元カレとか言うし……」
「……リナのこと、怒ってたんじゃないの?」
言うと、先輩は『そういえばそうだった』みたいな顔をして気まずそうに目をそらした。
「……別に怒ってないよ」
「だって、『勝手にすれば』って言った!」
「言ったけど! あれはついムカついて……とにかく本音じゃない。わかるでしょ?」
「わかんないよ!」
ああ、なんでこうなるんだろう。素直に『探してくれてありがとう』っていえばいいのに、口が止まらない。
「なんでムカつくの? いつもみたいに軽く流せばよかったじゃん!」
「嫌だったんだよ!」
静かな通りに、先輩の大きな声が響き渡った。
驚いて思わず口を閉じる。
先輩が余裕のない赤い顔をしてうつむいた。自分自身を落ち着かせるみたいに長い溜息をついてから、もう一度リナをじっと見つめた。