キミの愛情120%



「先輩、リナのこと好きになったらいいのに」



涙でにじむ視界で、先輩が目を見開いたのがわかった。

馬鹿みたい。腹が立ちすぎて笑えてくる。

なのに苦しくて、胸がいっぱいで、切なくて、この人なんでリナのこと好きになってくれないんだろうって思って。


好きになってくれたら、先輩もリナも、こんなにつらいことないのに。

リナは先輩のこと大嫌いで、大好きで、どうしても先輩の特別になりたくて。

先輩じゃなきゃ嫌だって、やっとわかったのに。



「……里菜ちゃん」

自分が今、どんな顔をしているのかわからなかった。

笑っている気がするし、泣いてるような気もする。

感情がぐちゃぐちゃで、自分でもよくわからない。


ふいに先輩の手が伸びてきて、そっとリナの涙をぬぐった。

クリアになった視界で目があった先輩は、笑っていた。


怖いくらい、嬉しそうに。

リナのぐちゃぐちゃになった感情ごと絡めとるみたいに、熱くて、甘くて、底の見えない暗い瞳で。

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