キミの愛情120%
「でも、『説明する』って言ってくれてるんなら、聞いてあげたら?」
チョコちゃんが珍しく先輩の肩を持ってそんなことを言う。マルもリナを見つめてうんうんとうなずいた。
「そうだよ。話し合えば大抵の問題は解決するよ。うだうだ悩んでるのが馬鹿らしくなるくらい」
「逃亡をお家芸にしてたマルが言うと説得力あるね」
「うん。腰を据えて話しあれば、案外『こんな簡単なことだったんだ』ってなるもんだよ」
汐見先輩と数多のすれ違いと話し合いを乗り越えてきたマルがドヤ顔で言う。
この前まで恋愛ド素人だったマルに言われるのはなんか癪だけど、つまりこれはコミュニケーションの問題だと言いたいんだろう。
その点で言えば圧倒的にマルの方が得意なのでリナは何も言えなかった。どうせリナはマルとチョコちゃんしか友達がいないコミュ障ですよ……。
「話し合いかあ……」
思えば、先輩は最近いつもリナに何かを話したそうにしていた気がする。
リナはそれを聞く勇気がなくて遮っていたけれど、早めに聞いてあげていればこんなにこじれてなかったのかも。
でもそれが、リナが求めてる話じゃないかもしれないじゃん……。