キミの愛情120%
「ていうか里菜、あの大学生とはどうなったの?」
うーんと頭を悩ませるリナに、マルが思い出したという顔で尋ねてくる。
「え? あ、心配するようなことは何もなかったよ! 大丈夫」
「それはわかってるけど……結局何しに行ったのよ。何か確かめたいことがあったんでしょ?」
「ああ、それは――」
「それは俺も知りたいな〜」
背後から突然割り込んできた声にびくっと振り返ると、機嫌よさげに「おはよー」と言ってくる世界一嫌いな男がそこにいた。後ろからため息でもつきそうな顔をした汐見先輩が歩いてくる。
「ちょっ……背後から話しかけんのやめてよ!」
「ごめんごめん。いつ声かけよーかなーと思ってたら、気になる話が始まったから」
腹が立つくらいいつも通りなんですけど……。
え? ほんとにこの人リナのこと好きなの? 嘘なんじゃないの?
「松原先輩……そのほっぺ、もしかして……」
マルが痛ましそうに顔をしかめて先輩の左頬を指さす。そこにはデカいシップがわざとらしく貼られていた。