キミの愛情120%


「え? ああうん、誰かさんに殴られた♡」


けろっと答えられて、マルとチョコちゃん、ついでに汐見先輩が何とも言えない顔でリナを見てくる。ほら、こいつはこういう男なんだよ! 殴ってきた女の目の前でこういうこと言っちゃうんだよ!


「てか、さっきの話の続き聞きたいな~。結局あの元カレとは何があったの? 昨日バタバタしててあんまり聞けなかったけど」


そのまま五人で学校へ向かう形になってしまい、リナの真横に位置取ることに成功した男がにこにこしながら聞いてくる。

マルは汐見先輩と話し始めてしまったし、チョコちゃんはスマホタイムに入ってしまった。突き放し方が容赦ない。


「……秘密です」

「え?」

「先輩には、秘密です」


亮平さんに会って、確かめたかったこと。それでわかったこと。

この状況で先輩に話すなんて恥ずかしすぎる。ただの告白にしかならないから絶対に嫌だ。


「……秘密?」


すると、先輩の目の色が変わった。


リナを責めるような、暗い瞳。

浮気した恋人をとがめるみたいな、そんな目。


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