キミの愛情120%
☆6

┗先輩を好きだったひと



ちなみに、リナは先輩にひとつ嘘をついた。

今日の委員会は放課後じゃなくて昼休みに15分くらい掃除させられるもので、だから今日の放課後に用事はない。

先輩と話をする勇気が無くて、とっさに口をついて出た嘘だった。



昼休み。

ぱぱっとお昼ご飯を食べると、竹箒を持って中庭へ向かう。

今日一緒に掃除をする予定の2年生はまだ来てないみたいだ。先に始めておこーっと。

すっかり丸裸になった冬の木々の落ち葉を集めていると、5分後くらいに女子生徒が駆け寄ってきた。



「ごめんね~っ。遅くなった~っ」

「大丈夫ですよー」



先輩はリナが集めた落ち葉の山を見ると、何かに気づいたように「あっ」と言った。


「ちりとりとゴミ袋っ、持ってくるね!」

「あ、ありがとうございます」


到着したと思ったらまたくるりと踵をかえして掃除用具入れの方へパタパタ駆けていく。

華奢な後ろ姿も相まって、小動物感がすごい。


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