キミの愛情120%
「おまたせ~」
「ありがとうございます」
先輩がちりとりとゴミ袋をもって戻ってきた。そのとき初めてまともに目が合って、また「あっ」と言われた。
「最近よく諒と一緒にいる子だ〜?」
えっ。
予想外の言葉に固まる。先輩は「んふふ」となぜか得意げに笑ってちりとりで落ち葉を集め始める。
彼女の姿を改めて見て、あれ? と思った。
白い肌にピンクのリップ、柔らかな印象の垂れ目。ふわっと巻かれた長い髪と、すらっとしたスタイル。大人っぽくてどこか色気のあるその姿に、既視感があった。
「……すみません。えっと、お名前……」
「あ、ごめんね? 名乗ってなかったね。二宮沙織だよ~」
さおり? ……って、もしかして……。
「ローズティーぶっかけた、サオリさん?」
言ってからハッと口をつぐんだ。
ヤバ。リナとしたことが。超失言。
目の前にいるのは、以前リナが長谷部くんとの散々なデートの末に立ち寄ったカフェで、松原先輩の頭にローズティーをぶっかけて『いっぺん死んでこいクズ!』と叫んだサオリさんだった。
今のこの柔らかい雰囲気からは、とても想像できないけど……。