キミの愛情120%


「諒とはもう仲直りしたから。今はふつーに話してるよ。もうふたりでは遊んでくれないけどね」


あ……。

松原先輩は、本気になった子とはもう遊ばない。

仲直りしたからって、もとの関係には戻らないんだ。そうだよね……。


「……って、サオリさん。落ち葉、落ち葉が落ちてってます」

「へ?」


集めた落ち葉をサオリさんがちりとりで集めてゴミ袋へ持っていこうとすると、移動中にちりとりからこぼれた落ち葉が落ちていく。

サオリさんの足跡みたいな落ち葉がそこら中に散らばっていて、掃いた意味がまるで無くなっていた。


「え~っ、ごめん! どうしよ〜」

「……ちりとりを運ぶんじゃなくて、ゴミ袋を移動させればいいのでは」

「ああ〜! きしもーちゃん頭いい〜〜! そ~するう」


なんか……この人……。

『本物』って感じがする。ちょっと抜けてて、わざとなのか天然なのかわからないあざとさが……。エセぶりっ子のリナには敵わないタイプの女子だ。


サオリさんは大量の落ち葉をゴミ袋に詰め込むために素手で押し込もうとする。見かねて「サオリさん」と声をかけた。


< 224 / 274 >

この作品をシェア

pagetop