キミの愛情120%
自分が『好き』って気持ちがわからないから、他人のその気持ちはすごく大切にしようとする。
そんな先輩だから、リナは好きになったんだ。
「……じゃあ、なんで……」
先輩は、あのときリナの告白を遮ったの?
「……『特別になりたい』かあ。なるほどねえ」
悩むリナの横で、サオリさんは長いまつげに覆われた垂れ目をふわりと和らげて、小さくつぶやいた。
「諒は、人を好きになれないわけじゃなかったんだね。必要だったのは、『好きになってほしい』って思える相手だったんだ」
彼女の言葉に目を見開く。心の中で、何かが熱を持つ。
「ねえ、きしもーちゃん」
サオリさんは、どこか嬉しそうな顔で言った。
「諒は、いったいいつからきしもーちゃんの『特別』になりたかったんだろうね?」