キミの愛情120%
「長谷部くんはねえ、2組で帰宅部で、リナと同じ美化委員でねぇ」
「あ、長谷部くんって言うんだね。彼氏」
「顔は、まあ、普通?で、他にこれといって長所もなさそうなんだけどぉ」
「ひどっ」
「じゃあなんで付き合ったのよ」
「でもそこがいいんだよね〜!超フツーなかんじがさ〜!女の子慣れしてなさそうで、遊んでなさそうで、フツーに優しくて、初々しくてさ〜〜!」
そう、長谷部くんはフツーなのだ。ザ・平凡男子。だがそこがいい。
「え、それがいいの?里菜、リードしてくれる歳上が理想って言ってたじゃん」
「それはそれ。あくまで理想だよぉ。やっぱりそういう人ってリナ以外の女子とも遊んでるし、ていうかそもそも付き合ってくれないし、総合的にクズだし?」
「特定のひとりのことを言ってるようにしか聞こえないわね……」
「チョコちゃん、なんか言った?」
「…………」
チョコちゃんが口を閉じてスマホに目線を戻す。ちょっとよく聞こえなかったなぁ。