キミの愛情120%
昇降口を出て、駅へ向かった。
いつもと逆方向の電車に乗って、松原先輩にメッセージを送る。
次の駅で降りて、一ヶ月前に来たばかりの並木道を歩く。クリスマスの時はイルミネーションでキラキラしていた木々も、今は葉が落ちて寂しい。
広場の中央にそびえたつ大きな木だけは冬の期間中イルミネーションが輝いていて、今日も暗い夕方の広場を明るく照らしていた。
近くのベンチに腰かけて、街と道行く人々を眺める。
時間が経つにつれて、だんだんと不安が大きくなっていく。
カバンからアクセサリーケースを開いて、お守りみたいにそれをつけたりした。
1時間ほど経った頃、うつむくリナの耳に、近づいてくる足音が聞こえた。
大きな不安と、小さな期待。
目の前に誰かが立ち止まる。ちくちく痛む胸を押さえ、小さな勇気を抱いて顔をあげた。
――息を切らしてリナを見下ろす、世界一好きなひとがいた。
「……里菜ちゃんはほんと、俺を走らせるのが好きだよね」
はーはーと肩で息をする先輩を見つめる、視界がじわじわとゆがむ。