キミの愛情120%
「俺がそう思えるのは、里菜ちゃんだけだよ」
……うれしくて、くるしかった。
リナは、先輩を変えてしまったのかな。
誰に対しても100%の愛情を注ぐ先輩を、そうじゃなくしてしまったのかな。
それが先輩にとって良いことなのか、今のリナにはわからないけど。
今、先輩がリナを愛おしそうに見つめている。
それが、今のリナが考えるべきすべてだと思った。
「……怒ってない?」
「怒ってない。むしろ嬉しいよ。はは、里菜ちゃん、実は俺のこと好きでしょー?」
「うん。好き」
リナが素直に答えたのが予想外だったのか、先輩が目を見開いて固まった。
「好きだから、リナも先輩の特別になりたい。リナをいちばんにしてほしい。……先輩は?」
「…………」
すると、先輩は何かに気づいたような顔をして、小さく「そっか」とつぶやいた。
「好きって、そういうことか……」
「……何ひとりで納得してんの?」
リナ、今告白したんですけど。散々遮られてきた言葉を今、満を持して言ったんですけど。