キミの愛情120%
「だから里菜ちゃんが前に告白しようとしてくれたとき、むかついちゃって。俺のこと本気で好きじゃないくせに、本気で好きな相手にはあんな目をするくせに……って思ったら、気づいたら遮ってた。あのときはごめんね」
「……じゃあ、本気でマルとチョコちゃんに妬いてたの?」
今までも似たようなこと言ってたけど、冗談かと思ってたのに。
信じられないというリナの顔を見て、先輩があははと笑う。
「そーだよ。あの日からずっと、俺はあの二人が羨ましくて仕方ないよ。俺のこともあんな風に見てほしかった。でも君は、いつまで経っても俺をあの目で見てくれなかった」
腹が立って、駄々をこねる子どもみたいに『それじゃない、欲しいのはその好きじゃない』って恋心を否定して。
「君が本気で俺を好きじゃなくても、俺に『好き』だって言えば、俺は君を振らなきゃいけなくなる。そうしたら、俺になんか興味無くなって次に行くでしょ。里菜ちゃんはいい意味でも悪い意味でも、あのふたりのこと以外には淡泊だから」
「……よくわかってるね。リナのこと」
「ずっと見てたからね。親友のことが世界一好きな里菜ちゃんのこと」
見開くリナの瞳の中で、先輩がいたずらっぽく笑う。