キミの愛情120%
「そう、その目。その感情ぐっちゃぐちゃになった目で見つめてくれたとき、俺、死んでもいいって思った。あのふたりとは違う、俺だけの特別……。俺がずっとほしかったものはこれだったって」
「……さいってー。今度は右頬殴ろうか?」
「べつにいーよ。今朝このシップ見たときの里菜ちゃんの心底ムカつくって顔、最高だった」
「……ほんときらい。もう好きじゃない」
「えー? 嘘でしょ。今は結構本気で俺のこと好きでしょ?」
「す、好きじゃな……」
「確かめてみる?」
ぐっと腕を引かれて、先輩の顔が近づく。
「……あ、」
さっきのキスを思い出して思わずぎゅっと目を閉じたけど、何も起きない。
「………?」
目を開けると、にやにや笑う悪魔の顔があった。
「期待した?」
「し、してな……!」
「まあするけどね」
えっ。声にする前に唇が重なって、空気に溶けた。
悪魔のキスはくらくらするほど甘くて、ちょっと苦い。
キスの合間、先輩がリナの耳元に手を触れて、そこで揺れるものの存在に気づいて笑った。