キミの愛情120%
「そーそー。昔は可愛かったのに、いつのまにかゴミを見る目で見られてた。俺の名誉挽回のためにも、今度里菜ちゃん紹介させて?」
「……彼女できた、って?」
「それ以外どう紹介すんの」
紹介してくれるんだ。家族に……。
嬉しい。そのくらい、真剣に付き合ってくれるってことだよね。
「あとはねー、犬が1匹いるよ」
「えっ。犬!?」
なにその魅力的な単語。先輩が「食いつき良すぎ」と笑った。
「柴犬だよ。触りに来る?」
「いいの? 行きたい!」
リナの家はペット不可の賃貸マンションだから憧れなんだよね。柴犬かあ……いいなあ。可愛いんだろうなあ。
まだ見ぬ先輩の家のワンちゃんに思いを馳せていると、先輩がリナの顔をじっと見てから言った。
「じゃあ、今日来る?」
「えっ?」
今日? 急すぎない?
「えっ……でも、おうちの方のご都合とか」
「ちょうど今日ばあちゃんち行くって言ってたから、母さんの帰りが遅いんだよね。父さんも仕事で遅いし……妹は、まあ部活終わったら帰ってくるけど」
「…………」
え? じゃあ家に誰もいないってこと……?