キミの愛情120%
近くにいるマルとチョコちゃんが、『この人が噂の……?』という顔でリナと長谷部くんを見比べる。2人とも顔がうるさい。
「……あ。そうだ、岸本さん」
「なぁに?長谷部くん」
長谷部くんは少し照れたような顔をして近づいてきた。
「……今日、良ければ一緒に帰らない?」
「帰る!」
帰る!帰るよ!当然彼氏と帰るよ!
即答したリナにはにかむと、「じゃあ、放課後迎えに行くね」と言って長谷部くんは去っていった。
「……はぁ……。彼氏って、最高……❤︎」
「そこはハセベくん最高じゃないんだ?」
マルでもチョコちゃんでもない、耳元で聞こえた低くて甘い男の声。
「………っ!?」
ついビクッと反応して振り返ると、ヘラッとした顔の腹立たしい茶髪頭が「おっす〜」と話しかけてきた。
い、いつからそこに……。