キミの愛情120%
ユミさんがリナに気づいて、「あっ」と声を出す。
「もしかして、噂の彼女ちゃん!? 邪魔しちゃったかあ、ごめんねえ! すぐ退散するからっ」
「い、いえ……全然」
先輩の女友達の登場、さすがにもう慣れた。
ユミさん、ね。リナの頭の中には大好きな人専用の分厚いプロフィール帳しか置くスペースないから、それ以外の人は名前と顔を一致させるだけで精一杯だ。
ほどなくして始まったふたりの会話を、『気にしてないので好きなだけ話してください』アピールのためスマホを触りながら聞き流す。
「ユミ、昨日大丈夫だった?」
「うん。全然平気! ありがとね、諒。あのあとスズカたちとカラオケ行ってさ、すっかり吹っ切れたわ! それだけ言っとこうと思って」
「そっか……ありがと。大丈夫そうで安心したよ」
……あ。昨日、『彼氏と別れた』って言ってた人か。先輩に慰めてほしくて頼ったのに、リナが先輩を呼びだして奪っちゃったんだよね。