キミの愛情120%


「……あ、あの」


リナなりに必死だったとはいえ、一言謝ろうと席を立ったら、うしろから肩を叩かれた。

振り返ると、リナの横にスズカさんが微笑みながら立っていた。


「え、あ、スズカさん……?」

「ふふ。名前、覚えててくれたんだね。私はユミについてきただけだけど……昨日、諒が誰のところに行ったのかはみんな知ってるから。野暮なこと言わなくて大丈夫だよ」

「そうなんですか……? でも……」

「私含め、2年の女子は基本みんなあなたの味方だから。むしろ、やっと諒に本命ができて安心してるの」

「ホントですか……? でもリナ、あのときは『先輩の彼女じゃない』って言ったのに」


リナが先輩とクリスマスデートした翌日、スズカさんとその周りの女子は泣いていた。『もう、一人だけに決めちゃったの?』って。

そのときリナは先輩の彼女になんかなれないと思ってたから『彼女じゃないです』って言ったけど、結果的にスズカさんたちを裏切る形になってしまった。


スズカさんはリナを安心させるようにぽんぽんと頭を撫でてくれた。妹を慰めるお姉ちゃんみたいに。


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