キミの愛情120%
――キーンコーンカーンコーン……。
予鈴のチャイムが鳴り響いて、先輩が不安げな顔でリナに「戻ろうか」と声をかける。
「……今日、俺んち来るのやめとく?」
「……ううん。行く」
「そっか。じゃあ、放課後迎えに行くね」
先輩と別れて教室へ戻った。マルとチョコちゃんはリナの表情を見るなり察して、「どーしたの」と優しい声で話しかけてくれた。
「……あのね?」
「うん」
「リナってね、ワガママなの」
「うん」
「マルとチョコちゃんには、ずっとカッコいいままでいてほしいの。カッコいいまま、リナと友だちでいてほしいの」
「……うん? そっか。じゃあ私らがんばらないとね、チョコちゃん」
「そうね。里菜の言うカッコいいがよくわからないけど」
「マルとチョコちゃんらしいまま、そのままでいてくれたらそれでいいの」
「なるほど? じゃあそんなに難しくないね」
マルの言葉に、うつむいていた顔をあげる。
ふたりは得意げに笑ってリナを見ていた。チョコちゃんが「そうね」とうなずく。