キミの愛情120%
その後ろにいる汐見先輩にマルが話しかけに行って、チョコちゃんが先に2階へ上がっていくのが横目に見えた。
「もう彼氏できたんだねー、里菜ちゃん」
「……そおですよ?言ったじゃないですか、彼氏作るって」
ふふーん、どうだ。リナの可愛さをもってすればこのくらい当然だ。
どっかのクズ野郎のことなんか、もう一ミリも気にしてないからね!
「好きなの?」
「え?」
ドヤっていたら、なぜか先輩が笑顔を消してじっとリナのことを見つめてきた。それこそ穴が空くくらいに。えっ? 美形の真顔こわ。
いつの間にか距離も近い。後ろが靴箱で逃げ道がない。なんかいいにおいするし。先輩の茶色い瞳に赤い顔したリナが映っている。
「な、な、なんですか……!?」
「好きなの? ハセベくんのこと」
「………っ」
なんでオメーにこんな状況でそんなこと訊かれなきゃいけないんだよ!!