キミの愛情120%



「ごめん。お待たせ」



先輩がトレーにのせてお茶とお茶菓子を持ってきてくれた。


「座ってくれててよかったのに」

「い、いえ……ありがとうございます。……あの、タローくんは」


一緒につれてくると言っていたタローくんがいない。先輩は「んー?」と言いながら中央のミニテーブルにトレーを置いた。


「タローは、またあとで」

「えっ?」


座ったまま先輩はリナの手を引いて引き寄せると、先輩の胸の中に飛び込んだリナをそのままぎゅっと抱きしめた。


「!?」


突然のことに混乱する。先輩は痛いくらい強く抱きしめて、はーーと長い息を吐いた。


「せ、先輩……?」

「ダメだ俺、たぶん里菜ちゃんに嫌われたら生きていけない。ほんとにしんどい……」

「何言ってんの……」

「いやほんとに。大げさじゃなくて。今日、俺すげー浮かれてる。浮かれすぎて、全然周り見えてなかった。ほんとにごめん」

「……そーだね。全然見えてないし、リナのことも全然わかってないね」

「すごい追い打ちかけてくんじゃん……」


バカみたい。先輩も、リナも。

ぎゅう、と先輩を抱きしめ返して言った。



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