キミの愛情120%
「リナが好きになったひとが、不誠実なわけないから。先輩は、リナのこと傷つけたりしない。だから絶対リナも傷つかない。単純でしょ?」
どんと胸を張って言う。
先輩はしばらくぽかんとしていた。10秒くらい、リナを見つめ続けていた。
やがてぷっと吹き出して、あはははと笑い始めた。こっちは真剣なのに、相変わらず失礼なやつだな。
「あはは、すごい自信家だ。里菜ちゃんは俺じゃなくて、里菜ちゃん自身を信じてるってことね」
「……そうだよ。信じられるのは自分だけだもん」
「そうだね。まさにマルちゃんとチョコちゃんのスタンスだ」
先輩は目じりに浮いた涙をぬぐいながら、「気づいてる?」と言った。
「里菜ちゃん、結構すごいこと言ってるよ。“束縛はしないけど、わたしを失望させることはしないでね”ってことでしょ? しかも、何が原因で失望させちゃうのかも自分で考えろって言ってる」
「……やっぱり、むずかしい?」
「ううん。できると思うよ。俺の得意分野だもん」
さらりと『できる』と言ってのけた先輩は笑ってリナを見つめながら、「わかってて言ってたらすごいなあ」とこぼした。
そのきらきらした存在を、リナは目を細めて見つめていた。