キミの愛情120%
「……い、嫌だけどお」
「うん」
「その分、リナのこと好きって言ってくれたら、ゆるし……んん」
……結局口ふさぐんなら言わせるなバカ。
その後も妹さんが帰ってくるまで存分にいちゃつきまくり、タローくんとのふれあいタイムはまた今度になってしまった。
廊下で会った妹さんにはしっかり彼女と紹介してもらって、妹さんがリナに「ほんとにこのクズでいいんですか? だまされてませんか?」と問い詰めてきたのはまあ……別の話にするほどのことではないんだけど。
すっかり真っ暗になった帰り道、上機嫌な先輩に手をつないで駅まで送ってもらった。
「まあ、他の子とはもう遊びに行かないけどね」
「え、行かないの?」
「行かないよーさすがに。俺が行きたくないし。たぶん遠慮して誰も誘ってこないよ」
「そうなんだ……」
「あ、実は安心した?」
「し、してないっ」
「あはは。……でも、『行ってもいいよ』って里菜ちゃんに言ってもらったことが、俺にはすごく意味があったよ」
「…………」
先輩がふいにリナの手を離して立ち止まった。