キミの愛情120%
┗大丈夫、だよね
放課後。
長谷部くんと昇降口で待ち合わせて、一緒に校舎を出た。
「うわ、さむ〜」
隣でリナの彼氏が、グレーのマフラーに顔を埋めてそんなことを言う。ああ、彼氏と歩く帰り道in冬is最高。
「………あ」
リナが幸せ心地で長谷部くんを見つめていると、彼が前の方に何かを見つけて顔をしかめた。
つられてそっちを向いて見えたのは、女の子と並んで楽しそうに帰る……松原先輩の姿だった。
……今日もまた違う女の子だ。どうせ彼女じゃないんだろうけど。
今朝のことを思い出して一瞬顔が熱くなったけど、女の子と楽しそうに歩く姿を見て頭が冷えた。
今朝の自分はどうかしてました。やっぱりリナはあのクズが嫌いです。
「岸本さん、平気?少し校舎に残って、時間ずらして帰る?」
「えっ?ううん、全然大丈夫だよ〜。ありがとう、気遣ってくれて」
心配してくれるなんて優しいなあ。
でも、アイツのアレは日常茶飯事だから今更なんとも思わない。はいはい今日も元気そうで何よりですね、って感じ。